サーバまでのネットワーク接続経路(無線区間の落とし穴)について

2017.11.15 | ログインエラー

日本テラサットのネットワーク型GNSSデータサービスは、インターネット回線を利用したサービスですが、今回のページは、インターネットのネットワーク経路に含まれる無線通信区間(ユーザ⇔インターネット間)に関する留意点について、お話しします。
『ログインが出来ないよー(サーバから補正データが取得出来ない)』といった場合には、今回のページが役に立つかもしれません。

ユーザがネットワーク型GNSSデータサービスを利用し、現場でRTK-VRS観測を実施する状況を想定します。

現場でデータサービス用サーバからRTK-VRS観測の補正データを取得するために、そこまでの全経路をケーブルをつないで接続することは不可能ですので、どこかの区間(経路)に関しては、無線通信を利用してインターネット回線に接続する必要があります。

上記の②のパターンでRTK-VRS観測を実施のお客様から、『ログインが出来ないよー(サーバから補正データが取得出来ない)』とご連絡を頂くことが時折あります。
(ここからが、今回のページでお話しをしたいことです。)

最近販売されているGNSS受信機の中には、それ自身が無線の基地局(アクセスポイントの親機)として振る舞える機能を持ったものもあります。
GNSS受信機がその機能(アクセスポイントの親機となること)を持つおかげで、無線機能を持つノートパソコンから簡単に接続することができ、その結果、GNSS受信機が持っている沢山のオプションを、ノートパソコンのブラウザ上で簡単に設定変更出来るようになります。
ネットワークの構築で必要となるハブやケーブル等が必要ありませんので、非常にお手軽な接続と言えます。

ただ、この機能(GNSS受信機がアクセスポイントの親機として振る舞えること)が、ユーザの”じゃま”をしてしまうことがあります。
例えば、下のような環境の場合です。

【期待するネットワーク経路】

【しかし、期待するネットワーク経路を経由しない】

インターネット接続が行われるときの経路としてSIMカードに割り当てられた無線通信が、選択されていれば、ユーザはインターネット接続を利用して、データサーバから補正データを受信することが出来ます。
しかし、コントローラ・GNSS受信機間のWi-Fi接続が、経路として選択されていれば、インターネット接続に失敗することとなり、データサーバから補正データを受信することが出来ません。

つまり上図の環境においては、コントローラがインターネット接続を行うときに、Wi-Fi接続ではなくSIMカードによる無線の接続を最優先で選択するように設定してあげればいいことになります。

しかし、一般的にSIMカードを利用する端末(今回のコントローラやスマホなどでも)ではSIMカードによる無線の接続よりも、Wi-Fi接続の方を優先するようになっています。(SIMカードに関する課金を下げるため。)
そのため、もし現場でWi-Fiを使用する必要が無いのであれば、現場ではコントローラ上のWi-Fi機能を無効にすることでこの問題は解決します。
ただ、事務所で無線アクセスポイントを利用することがある場合には、現場作業後、コントローラ上のWi-Fi機能を有効に戻す必要があります。

(考察)下のような環境ではどうでしょうか?

この場合はもちろん、コントローラ上のWi-Fi機能を無効にすることは出来ません。
しかし、Wi-Fi接続時にどのアクセスポイントを選択するかについては、コントローラと直前まで接続していたアクセスポイントが優先的に選択されますので、GNSS受信機の電源を入れる前に、一度、モバイルルータあるいはスマホのテザリングを利用しインターネット接続をしておいて下さい。
それでも、もし、GNSS受信機の起動時にコントローラがそのGNSS受信機を選択してしまうようであれば、その状態から別のアクセスポイントをコントローラ上で選択・接続し直すことで、次回からはそのアクセスポイントが最優先で選択されるようになります。

【しかし、また、期待するネットワーク経路を経由しない】

モバイルルータのSIMカードに割り当てられた無線通信(通信事業者の基地局への接続)が、モバイルルータからのインターネット接続の経路として選択されていれば、ユーザはそのインターネット接続を利用して、データサーバから補正データを受信することが出来ます。
しかし、モバイルルータ・GNSS受信機間のWi-Fi接続が、モバイルルータからの経路として選択されていれば、インターネット接続に失敗することとなり、先ほどと同様、データサーバから補正データを受信することが出来ません。

つまり上図の環境においては、モバイルルータがインターネット接続を行うときに、Wi-Fi接続ではなくSIMカードによる無線の接続を選択するように設定してあげればいいことになります。モバイルルータに公衆回線の使用に関する設定等があれば、それを無効にすることでこの問題は解決します。


今回は、インターネット接続までの無線通信区間に関する留意点についてお話しをしました。現場作業の中では『インターネットを使用中!』や、『ここからここが無線通信区間!!』などと意識する必要はほとんどないと思いますが、一度は、現状やあるいはそれとは異なる環境(接続の方法や経路)についても、考察されてみてはどうでしょうか?